LG style3 (LG-41A)

LG電子, NTTドコモ

まあまあ(10点)
2021年4月12日
ひっちぃ

韓国の総合電機メーカーLG電子がNTTドコモ向けに開発した廉価なAndroidスマートフォン。ワンセグやフルセグのテレビ放送を受信できないなどコストを削りながらCPUだけはあまり妥協せず旧世代ながらハイエンド向けのQualcomm Snapdragon 855を搭載し、廉価モデルの中では圧倒的なパフォーマンスを誇るのが特徴。

自分はこれまでメインのスマホとしてデジタルオーディオプレイヤーの機能を持つONKYO GRANBEATを使っていたのだけど、バッテリーが劣化してきたほかAndroidのバージョンが低くてBluetoothレシーバー Qudelix 5kのアプリに対応していなかったり、デジタルオーディオプレイヤーとしての機能も持っていることによる重量とスマホとしてのスペックの低さに窮屈さを感じていたり、そもそも別途専用のデジタルオーディオプレイヤーを携行することがほとんどだったので（！）、今度はちゃんとした普通のスマホを買うことにした。

一時期色んなメーカーのスマホをとっかえひっかえしていた自分は、スペックよりも操作感を優先してまずSamsung Galaxyが欲しいと思っていた。というのも各社似たようなCPUを搭載しているモデルでもタッチパネルの精度やAndroidのチューニング等のせいかまったく操作感が違っていて、ダメなメーカーはたとえ最新のCPUを搭載していても動作がもっさりしていてイライラするから、この点に関してSamsung Galaxyは一番良かった。

でも最終的にこのLG style3を選んだのは、まずなにより安かったこと。最終的にじゃんぱらで未使用品を26,800円ぐらいで買った。Galaxyのハイエンド機は最低でも倍以上した。自分は以前同社のisaiやisai FLというモデルを使っていたことがあって操作性も悪くなかった。CPUは自分にとって正直それほど気にしていなかったのだけど、解像度が3,120×1,440というのが最終的な決め手となった。電子書籍やSNSを読み書きするのに一度に目に入る情報が多くて高精細なほうがいいに決まっている。

久しぶりにちゃんとしたスマートフォンを使ったこともあって使いやすさにびっくりした。ONKYO GRANBEATはデジタルオーディオプレイヤーにスマホの機能を持たせたこの手のオンリーワンな機種でどちらも水準以上の素晴らしい機種だったのだけど、逆に言えばどちらもそこそこのレベルでしかなかった。サブスク（聴き放題）が流行るという追い風があったにも関わらず他のメーカーは追従しなかった。やはり売れなかったのだろう。Shanling M8はLTEを搭載しているモデルがあるけれど、結局データ通信だけで音声が使えなかった。

ONKYOは債務超過によりこのままだと今年の6月までに上場廃止になるらしい。市場はスマホ＋フルワイヤレスイヤホンを求めており、音質を重視する人は極めて少なかったことがはっきりした（いまさらだけど）。自分の感覚だとなぜみんな少しでもいい音で聴きたがらないのか不思議でしょうがないのだけど、やっぱりこういう自分の感覚だけで株を買うと失敗するんだなあと思った（買ってないけど）。

このモデルを買ってから後悔した点がいくつかあった。まずメモリが少ないせいか使っていないアプリがすぐにメモリから追い出される。音楽再生アプリを選択すると大体初期画面に戻っている。前回再生停止させたときの状態はプレイリスト込みで残っているのだけど、新たにアルバムを選択しようとすると最初から選びなおさなければならないことが多かった。

最近のハイエンド機だと最低でも6GBはメモリを搭載しているのだけれど、こいつはCPUを優先するあまりメモリを削ってしまった。ミドルレンジでも6GB搭載している機種もあるぐらいなので明らかに少ない。まあ4GBもあればWindows 10だって動かせるんだし一体何にメモリを使っているんだという話もある。というか自分の場合音楽再生アプリの状態が一部リセットされることだけがとりあえず不満なので、この組み込みアプリを改善してくれるだけでいいんだけど、たぶん自分みたいな不満を持っている人は少ないんだろうなあ。

ドコモの組み込みアプリが地味にうざい。大体オフに出来るのだけど一部しぶとく残り続けるアプリがある。よく昼の12時に通知がきて、5回連続で大きく振動するのはどうにかならないんだろうか。SIMロックフリーが大前提となったこのご時世で、ドコモのサービスを前提としたこうしたアプリの挙動はおそらくなんらかの法律や法令に違反していると思う。

戻るボタンがなくなったのは最近のAndroid機全体の話なのだけど、代わりに画面右からスワイプ（指を動かす）することで同じ操作が出来るようになっている。これが地味に不便で困る。操作自体がしにくいほか、画面右のボタンを押そうと思ってスワイプ開始と見なされて反応しなかったりする。

カメラの画素数がかなり多いらしいけれど、あんまり写真とらないのでよくわからない。

LGのスマホというと別途DACチップを積んで比較的高音質なモデルがあったけれど、こいつに関しては特にDACチップを積んでおらず音も普通みたいだった。そういえば試してもいなかった。

LG電子はなんと先週スマホから撤退することを発表した。いい買い手がつかなかったので部門消滅で人員は配置転換らしい。これだけいいものを作ってもこうなるのかとびっくりした。コスパで中国のメーカーに勝てないんだろうなあ。

そんなわけでサポートはどうなるか知らないけれど色々割り切れば安くていい機種なので買ってみてもいいんじゃないだろうか。

[参考]
https://www.lg.com/jp/
mobile-phone/
lg-l-41a

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