花野井くんと恋の病 3巻まで
森野萌 (講談社コミックスデザート)
いまいち(-10点) 2021年8月15日 ひっちぃ
落ち着いた長身イケメン男子の花野井くんが女性とこじれて別れ話をしているのをカフェで目撃した高校一年生の平凡な女の子の日生ほたるは、別の機会に偶然彼にちょっとした親切をしたことがきっかけでいきなり告白される。まだ恋を知らない彼女だったが、なにやら彼の恋愛が重いことに気づいて戸惑う。少女マンガ。
1巻の表紙のヒロインがいかにも平凡な女の子って感じなのに目を細めていてとてもかわいかったので目を引かれて読んでみた。まあまあ面白かったけれど割と普通の少女マンガだったし(?)、なんとなくこれからの展開の想像がついたので3巻までで読むのをやめた。
少女マンガで相手の男の背が高いのは少年マンガのヒロインの胸が大きいぐらいに鉄板なので置いておくとして、そのうえ花野井くんは容姿端麗で頭も超絶いいという欲張りぶり。でもちょっと普通じゃなくて、まるで運命をともにする相手を探しているかのように重いことばかり相手に求める。
そんな彼に目を付けられた日生ほたるは、自身まったく恋愛の経験値はないものの、なにかおかしいと思ってそれを素直に口にしていく。あれだけいい男(?)に求愛されても舞い上がらないマイペース女子なのが面白い。それでも花野井くんの熱い想いに揺れるところもあってかわいい。
花野井くんがちょっと浅すぎるように思う。たぶん女性読者からすると、相手役の男の子がヘンに個性なんて持っているよりも、ただスペックの高さだけあったほうがみんな受け入れやすいんだと思う。でも男の自分からするとそんな男に興味は惹かれない。少女マンガなんだから仕方ないんだろうけど。
ヒロインのほたるは周りと比べて鈍感でマイペースだから面白かったのに、ちょっとずつ恋を知っていくごとに普通の女の子に近付いていってしまう。そういう成長過程に女性読者はホッコリ(?)するのかもしれないけれど、自分にはどんどん彼女がつまらなくなっていくように思えた。せっかく鈍感なんだからもっと色々勘違いしてくれていたら愛おしく思えたかも。でもそうすると女性読者にはウケないんだろうなあ。
というわけで、男性には勧めないけれど女性でヤンデレ好きなら読んでみてもいいと思う。
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