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  • ネクストライフ コミカライズ版 6巻まで

    原作:相野仁 漫画:市倉とかげ (KADOKAWA 角川コミックス・エース)

    いまいち(-10点)
    2022年3月25日
    ひっちぃ

    山で遭難した隆司は意識を失い、気が付くと自分がやっていたファンタジーRPGの中の世界に転生していた。魔術師マリウスとなった彼は、モンスターであるオークとコボルトと共に暮らしている不思議な少女アネットと出会う。小説投稿サイトに上げられた小説が原作の異世界転生ファンタジーマンガ。

    主人公の魔術師マリウスがものすごい魔力を持っていて無双する。よく覚えていないけれどゲームで育てた最強キャラみたいな感じなんだったと思う。でも性格は控えめなのでめったなことでないと力を使わないし、衝突しそうになると自分から頭を下げてみんなと仲良く付き合っていく。

    少女アネットはなんとモンスターと意志の疎通ができるだけでなく、あまり知能を持たない小動物や獰猛な獣なんかに働きかけてなにかやってもらうこともできる。彼女はその能力に目をつけられ何者かに狙われていた。

    ちょっと都合がよすぎるというか甘っちょろい子供向けの話なんじゃないかと思う。みんないい人だし誰も死なない。やさしいせかい。あ、マリウスが助けた人がなんだかんだで死んじゃったこともあったっけ。

    表紙にずっと描かれている少女アネットがすごくかわいい。この少女をめでるように読むだけでも割と楽しめはすると思う。他にもいろんなタイプの美女が出てくる。でもストーリーにそれほど魅力がないしキャラ造形が単純すぎるように思えて自分はあまり好きになれなかった。

    アネットはマリウスに好意を抱くのだけど、マリウスがあまりに世間知らずなので記憶喪失だと勘違いしていて、記憶が戻ると自分のことなんかどうでもよくなって昔の恋人のもとに行ってしまうのではないかと不安に思っている。こういう健気なところは魅力になるはずなのだけど、一方でアネット自身も天然というか超越的なキャラなのであまりこういった小さい悩みを抱えるような感じがしなかった。

    以下はネタバレというかストーリーのあらすじを説明する。自分の備忘録のために。

    しばらくアネットらのもとで世話になって暮らしていたマリウスだったが、ある日ついに追手に見つかる。少女らはマリウスを巻き込みたくないがため別れようと言い出す。最初は一緒についていこうとしたマリウスだったが、根本的にどうにか出来ないかと考えて追跡者たちの元へ身を寄せることにする。

    追跡者たちの正体は、近くの街を治める領主の手のものだった。特にその領主のもとにいた妖艶な女が追跡を指示しており、領主はその女に操られているようだった。その女の正体はなんと植物の魔人アルラウネだった。マリウスはなんだかんだでその魔人を倒し、少女アネットたちと合流し、人間とモンスターとが共存できそうな土地を目指して旅をする。

    オークのデュランは大柄で力持ち、コボルトのベンは小柄で頭脳派。この四人で一緒に行動する。生計を立てるために街で様々な依頼を引き受け、高額な懸賞金を掛けられたグリフォンを退治したように見せかけて別の住処に案内したり、他の魔人が襲ってくるのでどうにかしたりする。どうやら魔人たちは魔王を復活させようとしているようなので、知り合った第四王女たちと手を組んでなんとかしようとする。

    人間誰でも話せば理解しあえるみたいな信念を持っている人にとってみれば面白い話だと思うけれど、自分はそう思うには歳をとりすぎたようだった。モンスターと意志の疎通ができる少女という設定がハマりそうな人なら読んでみてもいいかなと思う。

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