バックストリートガールズ ~ゴクドルズ~ 3巻まで
ジャスミン・ギュ (講談社 ヤンマガKCスペシャル)
まあまあ(10点) 2022年4月24日 ひっちぃ
取り返しのつかない大失敗をしたやくざの若者三人組が、組長の命令で性転換させられ、組のしのぎ(金稼ぎ)のために猛特訓の末にアイドルデビューする。少年マンガ。
いつだったかアニメ化されたのを見て、この設定がどうしても受け入れられず、1話だけ見てやめた。その後、日本テレビ「川島・山内のまんが沼」という番組で作者のジャスミン・ギュが大きく取り上げられているのを見て、あらためて原作を読んでみることにした。まあまあおもしろかったけれど、やっぱり色々と受け入れられなかった。
大の男がたとえ大失敗したとはいえ強制的に性転換させられるなんてかわいそすぎる。たとえ人に迷惑をかけているやくざとはいえ、この時点でもう無理だった。せめてなんらかの形で自発的にやってほしかった。って無理か。
そこをいったん飲み込んだ上で読み進めるとちょっとおもしろくなってくる。元は男なのでかわいい女の子がおもいっきり大股開いて座っていたり、容赦なくぶん殴られたりする。理不尽なアイドル修行をさせられ、追い込まれながらも成功していく三人。元やくざというところからくる隠しようのない本性とかわいい外見とのギャップで笑わせる展開が続く。
発案者の組長がとにかく絶対的なキャラで、お茶目なところもあるのだけど自分は全然好きになれなかった。こいつもひどいめにあってほしかった。
絵はちょっと異質なところもあるけれど、まず女の子(?)がそれなりにかわいいと思う。内眉(?)がちょっとハネているところがなんというか意志を感じさせて不敵な感じがする。沈み込んだときには目が描かれず陰だけになるところも笑いを誘われる。男キャラも組長みたいな濃いキャラからマネージャーみたいな被害者キャラまでいい感じ。
コンパクトで気軽に読めるのもなにげにいいと思う。
でも自分は登場人物とくに主人公には愛を注ぎ込みたいので、この作品だとやっぱりいたたまれなくて心から楽しめなかった。この感覚は少数派かもしれない。気にしないで笑い飛ばせそうなら読んでみるといいと思う。
|