魔法少女三十路 2巻まで
三倉ゆめ (少年画報社 YOUNG KING COMICS)
まあまあ(10点)
2023年6月21日
ひっちぃ
35歳独身女性が間違って地下鉄内で急に魔法少女に変身させられ、悪の組織と戦うハメになる。青年マンガ。
表紙見てきっと出オチだけの作品なんだろうなと思ったけれど中身を見てみたい誘惑に抗しきれなかった。わりとおもしろかった。
魔法少女のお供であるマスコットキャラ「うさ」からもドン引きされながら、正体がバレないよう顔を隠して戦うOLようこの哀愁の物語。「うさ」もふてぶてしくて強引かついい加減なキャラで、ノリよくいろいろとようこに押し付けてくるのだけど、さすがに無理があることには気づいており、ときどきスッと冷静になるところがおもしろい。
最初に出てくる敵はマッチョで凶悪な顔をしているのだけど実はやさしかったり、味方の魔法少女が出てきてそいつはちゃんと少女だけど中学生特有のバカさを持ち純真にようこの心をえぐってきたり、二人目の敵は若くてかわいい悪女ノアで的確にようこの弱点を突いてくるので下剤を飲ませて戦うとか、とにかくエグい展開が続いていく。
絵はスッキリと写実的で読みやすかった。ヒロインのようこは若い頃のかわいさが残りつつ、すっかり自己肯定感が無くなりちょっと卑屈になってしまったのが外見ににじみ出た感じで、主人公にふさわしい道化感があってよかった。ノアのリアルな悪女感と表情がクルクル変わるところがかわいい。
この作品の一番の難点は、心から笑えないことだと思う。
頭のいい人がしっかり考えて描いているんだろうなという感じがする。
この作品は出オチだけじゃないので、ギャグマンガが好きで引いたオチで笑えそうなら読んでみるといいと思う。
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