全カテゴリ
  ■ ノンフィクション
    ■ 経済・産業
      ▼ 2023年は「DOS/V」の終焉

  • 新着リスト
  • 新着コメント

    登録

  • 2023年は「DOS/V」の終焉

    山口 真弘 (インプレス PC Watch 2023.12.30)

    まあまあ(10点)
    2023年12月31日
    ひっちぃ

    技術系出版社インプレスが発行していたDOS/V POWER REPORT誌が今年いっぱいで休刊することに寄せて、DOS/Vという言葉がそれなりに使われていたのは事実上2023年が最後だったと言われるようになるだろうと、いくつかの証拠を上げて感傷に浸っている記事。

    自分はDOS/V互換機という言葉が嫌いで、ちゃんと正確にPC/AT互換機と言ってほしいと思っていたので、DOS/VというOSの名前をそのまま引きずっている言葉はさっさと滅んでほしいとすら思っていた。でもPCだとパーソナルコンピュータの略でしかないように見えるし、いちいち「~互換機」と言うのも面倒なので、DOS/V(ドスブイ)という言葉は言いやすかったのかなと思う。

    記事ではDOS/Vという言葉を冠するものがほぼ絶滅していることをいくつかの例で説明している。「DOS/Vパラダイス」という店は「ドスパラ」とすでに略称を正式名称にしてしまっている。フロッピーディスクにはNECのPC-98用と区別するためにDOS/V用と書かれていたが(フォーマットのしかたが違った)、すでにフロッピーディスク自体が絶滅に瀕している。あと一応地方の店の名前としても残っているらしい。

    DOS/Vを冠した雑誌は年々廃刊(休刊)していき、最後に残っていたのがこのDOS/V POWER REPORT誌だったが、この雑誌が今年休刊することによって全国の書店から消えてしまうため、今年がこの言葉の事実上最後の年だろうと言っており、たぶんそのとおりなのだと思う。この雑誌を置いていた書店がどれだけあったのか知らないけど。

    このネットの時代、自作に関する情報はネットで見た方が早いので、本を読む機会は減っていた。それでも自分はたまに俯瞰的な情報を見たいと思うことがあったし、企画ものとしていろんな自作PCを組む記事はある程度お金が掛かることもあり雑誌に優位性があった。しかしそれもSNSや動画サイトのほうが一般的になっていった。

    最後の最後でアニメ「16bitセンセーション」に話題をかっさらわれたことに触れていて笑った。このアニメの中でPC-98狂いの男が出てきてDOS/VやWindowsを敵視していたので、放送中盤ではDOS/Vという言葉をSNSで調べてもこのアニメに関することばかりが引っかかっていたらしいw

    調べても毎回忘れるので改めて調べてみたら、DOS/Vというのは「VGAグラフィックモードを使用して日本語テキスト表示を実現したDOS」という意味らしい。もっと分解するとDOSはDisk OSだし、OSはOperating Systemだ。

    昔のパソコンは性能が低かったため、ファミコンみたいにハードウェアの力でタイルのように文字を表示していた。この方式だと漢字のタイルをハードウェア内部に持たないと日本語を表示できなかったため、NECのPC-98シリーズが日本を席捲していた。そこへソフトウェアの力で漢字を表示できるようにしたのがDOS/Vだった。これによりNECの独占が崩れ、高止まりしていたパソコンが安く買えるようになった。

    ちなみにNEC(日本電気)がPC-98シリーズを生み出した経緯については上前淳一郎「読むクスリ 1」(文春文庫)がおもしろかったので読んでみるといいと思う。チップを売りたいがためにマイコンの自作キットを売り出したところから大きなビジネスになっていく。

    自分は長いことこのDOS/VもといPC/AT互換機がなんなのかを疑問に思っていたのだけど、要はBIOSがそれにあたるのかなと思う。IBMが自社のパソコンで採用していたBIOSで互換があれば、ハードウェアがいくら変わっても動作する。BIOSとはBasic Input Output Systemの略で、基本的な入出力を備えた仕組みである。VGAグラフィックモードをサポートしていれば最低限画面は映るし、ディスクの読み書きもできる(高速な読み書きには別途ドライバが必要であるにせよ)。

    …あれ?BIOSってそういえばUEFIに置き換わってきてるよな。UEFIってなんだ?…いまちょっと調べてみたらBIOSを拡張した上位互換の仕組みらしい。Windows 11からはUEFIに対応していないと動かなくなったようなのだけど、そのUEFIはBIOSの上位互換なので、ハードウェアとしてのDOS/Vはまだまだ生き残り続けていくことになりそう。

    自作PC自体に関する話題は年々減っていき、インプレスのAkiba PC Hotline!のアキバお買い得価格情報でも自作パーツより中古ノートPCのほうが多くなってしまった。そんな中で、ツクモ(九十九電機)の提供でホロライブの獅白ぼたんが自作PCを組む配信をしたのは心強かった。まあそのせいで年始のセールが渋くならないか心配ではあるんだけどw

    【自作PC】TSUKUMOでデート?!インテル第14世代CPUでパソコン組んでみます【獅白ぼたん/ホロライブ】
    https://www.youtube.com/
    watch?v=kY4vQrQJhUQ


    ししろん(獅白ぼたん)はゲーム全般に強いだけでなくハードウェアにも興味があるのは強い。ルーナもPCに詳しそうだけどハードは父親にやってもらってそう。

    自分もすっかりPCパーツを買わなくなった。買っても組むのが面倒になった。次のWindowsはサブスクリプションになると言われていることだし、もう必要最小限しか買わなくなりそう。マイクロソフトとnVidiaは儲けすぎだよなあ。

    ネット通販で買ってしまうので秋葉原に行かなくなった。一つ前のマシンはツクモの店頭で見つけた特売品を中心に組んだけど、いまのマシンは大体ツクモのネット通販で揃えた。ものによってはツクモより安い店もちらほらあるのだけど、平均的に見て一番安いのはツクモだと思う。初期不良への対応もよかった。ヤマダ電機に買収されてしまったけれど特に変わらないので一番利用している。メモリ関係だけはアークで買うこともあるけどw

    という「パソコン老人会」を記事に続いて行ってしまったのだけど、ゲームのプラットフォームとしてPCが台頭してきており、ショップのBTOマシンをベースにするにせよ一から組むにせよPCパーツはまだまだ需要があるので、電子メディアだけになっても盛り上げていってほしい。

    [参考]
    https://pc.watch.impress.co.jp/
    docs/topic/feature/
    1558548.html

    コメントはありません

    manuke.com