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  • ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 PC版(Steam)

    スパイク・チュンソフト, Abstraction Games

    最高(50点)
    2024年7月8日
    ひっちぃ

    優れた能力を持つ高校生が集められた「希望ヶ峰学園」に抽選で運良く入学することができた平凡な高校生男子・苗木誠だったが、15人のクラスメイトとともに学園内に閉じ込められ、殺し合いをするよう言われる。もともとプレイステーションポータブルで発売された推理アドベンチャーゲームのPC移植版。

    十年以上前にアニメ化されたのを見て、キャラ造形が雑だなあとかいろいろ悪趣味な内容だなあとか思いつつもストーリーはおもしろかったので最後まで見たつもりだったのだけど、なんか中盤から記憶がないので途中で見るのをやめてしまったのかもしれない。

    どうやら最近になってか全編ゲーム実況配信オッケーになったみたいで、職場の同僚が配信を見ておもしろかったと言っていたので、Steam版も出ており「圧倒的に高評価」かつセールしていたのもきっかけになって買っておいた。この時点ではしばらくプレイせずに積みゲーにする予定だった。

    その後、自分の好きなVTuberの大空スバルがやるというので、じゃあせっかくだから愉悦したいなと思い、スバルの配信スケジュールに合わせながら少しずつ先行する形で遊んでみた。とてもおもしろかった。

    主人公の苗木誠くんは学園に足を踏み入れて早々に意識を失い、気がついたら暗い教室に一人いた。その後、クラスメイトたちと合流し、謎のマスコットである「モノクマ」からゲームのルールを聞かされる。クラスメイトを誰か一人殺して完全犯罪で逃げ切れば「卒業」となって学園を脱出できるという。しかし、バレてしまえば「処刑」されてしまう。

    その後、生徒たちは閉じられた学園のなかで奇妙な共同生活をしていく。寄宿舎があり生徒たちにはそれぞれ個室が割り当てられ、食堂に行けば食料も豊富にあり、風呂やランドリー室まで用意されているのだった。

    周りが「超高校級」の天才たちの中で、主人公の冴えない青年である苗木誠は疎まれたり引け目を感じたりするが、そんな彼に対して「超高校級のアイドル」こと舞園さやかが近づいてきて仲良くなる。

    主催者に踊らされて殺し合いなんてするわけがないと思っていた彼だったが…。

    デスゲームの主催者である奇妙なクマのぬいぐるみ「モノクマ」の声を演じていたのが、名作アニメ「ドラえもん」のドラえもんの声優をやっていた大山のぶ代だったので非常にインパクトがあった。何をやってもダメなのび太くんにあきれながら寄り添っていた、あのなんだかんだでやさしかったドラえもんの声で「おまえら」「殺し合い」とか言っているので衝撃的だったんだけど、一方でなんか安易でいやらしい演出だなあと思った覚えがある。

    クラスメイトである「超高校級の〇〇〇」たちはクセもの揃いで、ビジュアル的にも独特だったので、なんかこの作品を好きになれそうにないなあと思いながらアニメを見ていたんだけど、今回こうして元のゲームをやってみるとそこまで拒否反応はなかった。歳をとって丸くなったんだろうか。

    そのせいで気づいたんだけど、これ西尾維新の戯言シリーズに似てない?ひょっとしてシナリオ書いてるの西尾維新か?と思ってちょっと調べてみたら小高和剛という別の人だった。この人はWikipediaによると星海社のインタビューで講談社の新世代ミステリー小説誌(?)「メフィスト」のポップなミステリーを目指したと言っているとのことで、この雑誌は西尾維新のデビュー作や代表作「化物語」が掲載されていたことから、当たらずも遠からずといったところだった。

    ゲームは大きく三つのパートを繰り返すことで進んでいく。まずは「(非)日常編」で、学園内の様々な部屋が徐々に開放されていくのでみんなで探索する。そのうち殺人事件が起きるので(!)、「非日常編」としてやはり学園内の犯行現場とか関連個所をみんなで調べていく。最後に「学級裁判」が開かれ、集めた証拠や証言をもとに事件の真相を解き明かしていく。

    なんといっても「学級裁判」がこのゲームの肝で、そこで題にある「ダンガンロンパ」を繰り返して推理を進めていく。どういうことかというと、「ノンストップ議論」では自分以外の誰かの推理や証言の字幕に対して自分の反論や反証をまるで「弾丸」のように撃ち込んで「論破」していく。リボルバーのように言葉の「弾丸」を選び、相手の推理の中にある矛盾やおかしな点などの言葉を狙って撃ち抜く。アクション性はあるけれど、そこまで難しくはなかった。

    他にもミニゲームはあって、「マシンガントークバトル」といってリズムゲームっぽいゲームで相手の体勢を崩した上で最後に弾丸を打ち込むものや、「閃きアナグラム」といってキーワードを射撃によって作っていくもの、「クライマックス推理」といってストーリーマンガの穴埋めをすることによって事件の真相を最初から最後まで説明するものなんかがある。

    ほかにも、普通に三択から選んだり、これまで集めた証拠から適切なものを選んだり、犯人を直接選んだりする趣向がある。推理ゲームといってもちゃんと順々に考えていけるよう登場人物たちがまるでガイドしてくれるかのようにヒントを言っていってくれる。絶妙なバランスにより自力で真相を解き明かしていくような満足感が得られるようになっている。

    「学級裁判」を有利に進めるため、「(非)日常編」の自由行動時間で好きな相手を選んで仲良くなり、そいつのスキルを一つ一つ覚えていくことができる。また、好感度を上げることでプロフィールが少しずつ明らかになっていく。プレゼントを渡すと適切なものであれば好感度をさらに上げることができる。プレゼントは校舎1Fにあるガチャでモノクマコインと引き換えにランダムで入手できる。モノクマコインは探索と学級裁判で手に入る。

    途中で殺されたり処刑されたりする人が出てくるので、好感度を誰も最後まで上げきることができなかった。スバルの配信を見ていたら、クリア後に開放されるモードで遊べば最後まで上げきることができるとリスナーが言っていた。

    いつまでもデスゲームを続けているわけにはいかないので、モノクマを操っていると思われる敵の黒幕に対して反撃を試みる中で、途中からこの学園の謎に迫っていく展開になる。とても引き込まれてグイグイ進めていった。

    ネタバレにならないようこの学園の謎について最低限言っておいたほうがいいことがあるので言っておくと、たぶん正統派なミステリーファンにとっては邪道な要素が含まれているので、いわゆるちゃんとしたミステリーを味わいたくてそれだけは譲れないという人には残念ながら勧められない。自分はあんまり気にならなかったけど、これアリかー、とは思った。

    正直エンディングには描写が足りてないように思えて納得がいかなかった。でもこの作品には続編があるので続きが語られるんだと思う。

    絵はちょっとクセのあるアニメ絵になっていて、でも特徴的で全体的にかわいいと思う。自分はセレスが考え込んでいるところなんかとてもかわいいと思った。一方で、ちょっと異形な感じがしたり、素人臭さを感じるところもあった。

    音楽がすばらしい。耳に残るメインテーマはデジタル音楽としか表現しづらいなにかで、ラップっぽくもあるしオリエンタルなコーラスもあり、自分の音楽的知識が足りないからかもしれないけどなんとも形容しがたかった。学級裁判中は状況の変化によっていろんな電子ダンス音楽が流れて場を盛り上げる。終盤の探索のテーマはディストーションの効いたギターがかっこいい最高のインスト曲だった。

    自分が見た大空スバルによる配信は以下のとおり。

    【#生スバル】初見!!!ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生をプレイするしゅばああああ!!! / Danganronpa: Trigger Happy Havoc【ホロライブ/大空スバル】
    https://www.youtube.com/
    watch?v=ruuwvgYEASA&list=PLO
    LvMgy3Jf3ETa_SPnca8Vhkf9zdDZpTz&
    amp;index=1


    ボーイッシュな女の子(?)の大空スバルが、ゲームにのめりこみながら一生懸命考えて推理している。あんまりよくわかっていないながら答えを導き出すと主人公の苗木くんのセリフにかぶせて「それは違うよ!」と大声で叫ぶことから「大声探偵」とリスナーから呼ばれたり、頭のいい十神白夜や霧切響子に頼り切りでまるで足をなめるかのようであることから「超高校級の足ペロ」と言われたりしていてウケた。週末の昼間から配信していて、最大で同時接続数が四万六千人を超えたのを確認した。

    正直、このゲームを買って自分でプレイしなくても、配信を見れば十分この作品を堪能できると思う。実際、職場の同僚は配信だけ見て満足していた。でも、まず自分でプレイした上で配信者の反応や迷走を見て愉悦するのもいいと思う。それに、自分で謎を解く快感は、自分でプレイしなければ味わえない。まあ配信見ながら推理もできるんだけどw

    [参考]
    https://www.danganronpa.com/
    reload/about/
    dangan01.html

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