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  • 山本夏彦

    傑作(30点)
    2002年10月27日
    ひっちぃ

    私にとっては、我々が抱いている「昔の日本はこうだった」幻想を打ち破ってくれた人だった。特に戦後、日本は貧しい国だったというイメージが植え付けられ、我々は暗いイメージしか持っていない。戦前から百貨店は冷房完備だったとか、開戦直後はみんな晴れ晴れとしていたとか、そういった事実をあっさりと出す人だった。

    今朝の新聞で亡くなったとの報を読んだ。

    私が受けた衝撃はもう一つある。それは、文化なんてものはそのままの形で世代間で引き継いでいくなんて到底不可能なことなんだ、ということだった。老人というのは、小難しい顔をして、自分がさも過去の良心を代表しているかのような姿勢をとる。しかしこの人は違った。自分が継承できなかったものについても自然体で語っていた。色々なものに通じていることよりも、むしろ通じていないことについても語っているところが、若者にも同世代の読者にも受け入れられたのかもしれない。

    コメント

    色恋 ひっちぃ
    坪内祐三の評論らしきもの(坪内祐三「同時代も歴史である 一九七九年問題」文春新書)を読んでいて気づかされたのだが、山本夏彦は老いてから恋愛小説のようなすごい自伝を書いていたらしい。ほんの30数ページほどなのだそうだが、評論文を読んだだけでもその生々しさが伝わってきた。

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    manuke.com